言語は力を持っている

『言語都市』
チャイナ・ミエヴィル

アエリカ人は2つの口を持ち、同時に発話することで「ゲンゴ」を理解する。人類は彼らと会話するため、二人一組の「大使」と呼ばれる通訳を作り出した。

最初は特殊な舞台設定になじめず、文字の上を目がすべって行くように、なかなかストーリーが頭の中に入って来ませんでした。けれども、問題の大使が登場し、エズ/ラーの言葉がアエリカ人たちを恐怖の底に陥れるあたりから、物語は急激に面白くなります。
エズ/ラーの言葉は麻薬になり、保たれていた秩序が崩壊していく様は伊藤計劃の『虐殺器官』を彷彿とさせます。
誰もが世界の終わりを予感し絶望の淵に追い込まれるなか、最後まで事態の収束に取り組んだ主人公の勇気と行動に拍手を送りたい。