才能の“超”無駄遣い

『破獄』
吉村昭

才能の“超”無駄遣い――まさにそんな言葉がぴったり来る小説でした。四回も脱獄を繰り返した囚人の執念と生命力にも驚かされますが、脱獄されるたびに罰則を免れえなかった看守の苦労も、涙なくしては語れません。そして一度は死刑判決も受けた男に、仮釈放までの道筋をつけた刑務所長の献身にも心を動かされました。
淡々と描写される中に垣間見える人間模様が素晴らしい一冊です。