罪を犯す人間の機微をとらえた極上の短編集

『犯罪』
フェルディナント・フォン・シーラッハ

幾多の犯罪者と接してきた弁護士の視点で語られる、世にも奇妙な物語。
背筋がゾッとするような復讐譚から、世間を騙して兄の無罪を勝ち取るクールな末っ子、不運なミスが元で精神を病んでいく警備員の話など、一遍一遍に凝縮された人生の妙が感じられます。
「犯罪」という、後味の悪くなりがちなテーマを扱いながらも、最終話の「エチオピアの男」は胸のすくような傑作。