凶悪で恐ろしい事件の中で美しさが際立つ

『ヒトリシズカ』
誉田哲也

薄暗い山林にひっそりと咲くヒトリシズカ。美しく可憐で、はかなさをたたえつつも、力強く自生する野生の花が表紙を飾っています。
数々の事件を引き起こしながらも、関わりあった人々に強い印象を残して去っていくヒロインは、まさにそんな“ヒトリシズカ”のイメージにぴったり。やがて明かされる彼女の過去には暗い気持ちになりますが、最後まで自分の生き方を貫く姿勢には、一貫した美しさを感じました。
ちなみに“ヒトリシズカ”には類種の“フタリシズカ”という花も存在します。そんな豆知識も頭に入れて読むと、また違った感慨を味わえるかもしれません。
電子書籍にはめずらしい解説付きです。