ゆっくりと時間をかけて築き上げて来たものが、一気に決壊し始める

『決壊(上)』
平野啓一郎

主人公は少々鼻持ちならないエリートだが、家族思いで充実した人生を謳歌している。そこには彼の積み重ねてきた歴史があり、多少のトラブルにも臆せず対処してきたという自負がある。
どこにでも転がっていそうな日常。そこから何かが綻びを見せて、一気に崩れ落ちていくまでを描いた上巻。ここまで読んだらもう止められない。