無言電話が伝えるメッセージ

『64(ロクヨン)』
横山秀夫

D県警を舞台に、刑務部と刑事部、県警とマスコミの狭間でもがく広報官が主人公です。
知る権利を盾に情報公開を迫る記者と、流出を危惧して身内にすら口を閉ざす現場。それだけでも胃が痛くなりそうなのに、主人公の周りには多方面から問題が沸き起こります。
そしてやっと出口が見えてきたと思った頃、かつてない大事件が発生し、一触即発の空気に。

印象的だったのは、幾度となくかかってきていた無言電話。
その意味に気付くとき、すっと一筋の光がさしたように思いました。

決して大団円なラストではないけれど、主人公がしっかりと自分を取り戻し、前進する姿に勇気づけられます。