「本当の自分」なんて存在しない

『私とは何か 「個人」から「分人」へ』
平野啓一郎

会社員の私、大卒の私、妻の私、ゲーマーな私、今ここでレビューを書く私。
私たちは様々な人間関係の中で、いくつもの顔を持っている。
どれが「本当の自分」なのか。
人間を分割不可能な「個人(individual)」として考えると、多くの矛盾が生じ、行き詰まってしまう。そこで、人間を分割可能な「分人(dividual)」に分け、「分人」の集合体が私なのだ、という考える。

「地元の友人と大学の友人が同席する席で飲んだら居心地が悪かった」
「高校に進学した途端、地味だった彼が急に開放的になった」
「いつも大人しい知人が、ネットでは攻撃的な性格で驚いた」
「私には忙しいと言ってたくせに、他の人と遊びに行っていた」
著者は身近な具体例をあげながら「分人」という考えをひも解く。

現代の人間関係に生き辛さを感じている人におススメの一冊。