遠く離れた異国のサリマを身近に感じる

『さようなら、オレンジ』
岩城けい

この物語には2人の女性が登場します。
故国の紛争から逃れてオーストラリアに流れ着いたサリマ。
同じく夫の仕事のために夢をあきらめて渡豪してきたサユリ。
生まれも育ちも、背景にある文化も全く異なる2人の人生が、英語教室での出会いをきっかけに交差します。

全く馴染みのない世界に最初は戸惑い、読みづらさを感じましたが、逃げ場のない生活の中で力強くひたむきに生きる彼女たちに、次第に感情移入していきました。
特にサリマの息子が母親に対する態度を変えていく場面には、胸に迫るものがありました。

最初は遠かったサリマの存在が、読後は身近に感じられるはず。