運命に抗い続けること

『掏摸』
中村文則

世の中には、誰にでもできる犯罪と、才能を必要とする犯罪があります。
後者が不幸なのは、本人の意思に反して強要されることがあるから。
この物語の主人公も、天才的な掏摸の才能を持って生まれたがために目をつけられ、破滅への道を辿るようになります。
圧倒的な悪の存在から死を宣告されたとき、はたして生き残る道は見つかるのでしょうか?

最初は読みづらい文章だなあと思いながら読んでいましたが、途中から少しずつ面白くなり、一気に読み終えてしまいました。
どんな理由であれ犯罪は許されるものではありませんが、最後まで誇りを失わない主人公の生き方が印象的です。