罪作りな小説

『トリアングル』
俵万智

『サラダ記念日』で知られる、俵万智さんの小説です。

主人公は8年越しの不倫の上に、若い男の子を二股にかけている30女。結婚よりも恋愛に生きる彼女は、青山のマンションに居を構え、オシャレで知的な生活を楽しんでいます。そんないけ好かない女の小説が、なぜかネットのレビューでは評判が良くて。

歌人ならではの言葉選びのセンス、そしてところどころに差し挟まれる短歌がどれも素敵で、ともすればドロドロで醜くなりそうな日常を、美しくコーティングしているように見えました。そして読む人に「いいな」と思わせてしまうのかもしれません。

ことばの魔力というのは恐ろしい――そんな不思議な魅力を放つ一冊です。