好きな本に囲まれていればしあわせ?

『書店主フィクリーのものがたり』
ガブリエル・ゼヴィン

読書好きなら一度は憧れる書店主。本書を手にする読者は、思い思いの“書店主像”を頭に思い描いてページをめくることと思います。そして私は、自分が想像していたのとは全く異なる主人公を目の当たりにして幻滅するのでした。

フィクリーは高学歴を鼻にかけた男やもめ。好き嫌いが激しいために好みの本しか扱わず、遠路はるばる営業に来た出版社の担当をけんもほろろに付き返します。そんな彼の店から大切にしていた稀覯本が盗まれて……

「ザマアミロ」と私が思ったかどうかはさておき、盗まれた稀覯本と引き換えに店頭に捨て置かれた幼女が、フィクリーと島の人々との関係を徐々に変えて行きます。

人生は良いことばかりではなく、事件や悲しい出来事もあるのですが、最後はじぃんと心が温まります。
本と人との結びつきについて、考えるきっかけを与えてくれる一冊です。